「楽」を極めるシンプルライフ

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空間の趣き

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趣のある部屋っていいですよね。居心地が良くて、時間がゆっくりと流れる感じ、たまらないです。自分の部屋を趣のある部屋にするのは、けっこう難しいと思います。そもそも"趣き"という言葉自体が抽象的で、具体的にどう取り組めばいいのかわかりにくいからです。

それっぽく見えるように、棚に陶器をいくつか飾ってみたらどうでしょう?なんとなく雰囲気は出てくるかと思います。でもやっぱり趣きのある部屋とは程遠いです。
では、古風な花瓶に花を一輪挿してみるのはどうでしょうか?それ単体としてはいいんですが、部屋全体が引き立つかといわれれば、別にそんなこともない気もします。"ただ花瓶に花が挿してある"という状況だけでは、部屋に趣を漂わせることはできません。
その状況を、趣というレベルにまで昇華させる必要があるわけです。

横幅3mの棚があります。その棚に、幅10cmのオシャレな陶器をいくつか並べるとします。さて、あなたはどのように並べますか?
オシャレな陶器をできるだけ多く飾りたいがために30個も並べてしまうと、陶器がすし詰めになってしまいます。ごちゃごちゃし過ぎて見栄えが全然よくありません。
見栄えをよくするためには、だいたい5個くらい並べれば十分です。ちょっと物足りない気もしますが、実際に並べてみると上品な感じがしていいと思います。

上品な雰囲気を醸し出してるのは、陶器と陶器の間にある空間です。この何もない空間が、上品さや趣を作り出しています。初心者の人は、隙あらば何かといろいろ詰め込もうとしてしまいがちですが、あえて空間のまま残しておくとグッと雰囲気が良くなります。
いろいろ飾り立てたい気持ちを抑えて、お気に入りのインテリア同士の間に空間を持たせてみてください。その空間の演出によって、部屋の中に洗練された空気が流れてくることでしょう。

この空間の趣きというのは、盆栽を見ればよくわかります。盆栽は、幹や枝の曲線美や緑、ときには盆栽の枯れ具合が醸し出す全体の趣きが、見る人を魅了します。盆栽そのものと、盆栽周辺の空間を含めた雰囲気が魅力なんです。
ですから、その盆栽は主張が大き過ぎず控えめ過ぎず、それぞれがちょうど良い具合で均衡がとれていて、まるで芸術作品を見ているかのような印象を与えてくれます。
盆栽が好きな人は、盆栽自体が好きということに加えて、盆栽が創り出す空間ごと好きなんだと思います。

部屋に好きなものをいろいろ飾りたくなる気持ちはわかりますが、モノをより厳選し、空間を意識してみてください。
空間に心地よさを感じられれば、趣きがある部屋になっていることと思います。