服を売るか捨てるか
段々と暖かくなり、衣替えをする時期がやってきましたが、僕も服の断捨離をしています。
服を捨てるときに必ずといっていいほど湧く感情が「もったいない」というものです。
まだ全然着れるじゃん!とか、いつか着るからとか。
そのように呼びかけるもう一人の自分が、捨てることを邪魔します。
捨てることのメリットの方が大きいはずなのに、自分の中の自分が待ったをかけます。
それと服を捨てる際によく言われるのが「売ればいいじゃん」とか「困ってる人に寄付すればいいじゃんと」いった言葉です。
僕も昔、実際に言われたことがあります。
たしかに売ればお金になるし、寄付すればそれを必要としてる人が喜ぶこともあるでしょう。
僕はその意見には賛成ですし、素晴らしいことだと思います。
ただちょっと考えてほしい。
服を売ることについて、どれだけの手間がかかるでしょうか?
たとえばメルカリに出品するにしても、まずアカウント登録をして、商品の写真を撮り、ある程度商品情報を調べ、売るための文言を考え、値段を設定します。
落札されたら、商品を入れる箱や梱包材を用意して梱包し、コンビニにそれを持って行き、手続きをし、相手側に商品発送の通知を送らなければなりません。
そもそも商品が売れるのかすらわからないのです。
いつ売れるかわからないようないらない服を、ずっと家の中に放置しておくのでしょうか?
それと同じで、寄付をするのもやはり、ある程度手間はかかります。
つまり僕が言いたいのは、ただでさえモノを手離すことに抵抗があるにも関わらず、服を売ったり寄付したりするというハードルを設定することで、さらに服を手離せなくさせているのではないでしょうか、ということです。
服を売ったり寄付したりすることで、捨てる抵抗感が減って手離せる人もいるでしょう。
そういう人はぜひそうすればいいと思います。
僕も実際に、何回かメルカリでモノを売ったことがあります。
しかし、売るとか寄付とかいう発想で、捨てる抵抗感に手離す手間が加わった結果、やっぱりまだ手離さないでおくという結果になる人もいるかもしれません。
せっかく断捨離しようとしていたのに、それは残念なことですよね。
一方、捨てるというのは簡単で、服をゴミ袋に入れるだけです。
面倒な手続きなど必要ありません。
服を売ったり寄付したりして、相手に喜んでもらうというのはとてもいいことです。
しかしそういった考えが足枷となり、面倒が先立って断捨離する気力を奪ってしまうのはもったいないことです。
なので面倒くさがりな人は、余計な思考は挟まずに、ただ捨てるだけでいいんじゃないかなと思います。
目の前のモノと向き合い、今の自分に必要かどうかを判断する。そういうシンプルな考えでいけば、今まで断捨離できなかった人も、案外捨てられたりするのかもしれません。